オフショア法人

タックスヘイブンのオフショア法人設立費用とその維持費


タックスヘイブンと呼ばれる国や地域でオフショア法人を設立する場合、手続としては非常に簡潔です。その費用に関して言えば、設立のための費用、そして法人を継続更新するための維持費は少なからず発生します。

設立時に必要な費用の内訳として、まず、法人設立申請を行う際に支払う登記申請手数料、次に、政府機関に定款を認証してもらう際に支払う定款認証手数料、そして法人を設立する際に、現地の住所を借りるため、また、それを取り扱うエージェントに支払う登録住所費用、公証人が書類を作成または認証するための費用である公証人手数料などが挙げられます。それらの費用としては、設立先のタックスヘイブン地域によっても異なりますが、いずれも数千円から数万円程度です。

法人維持のための維持費として年度更新費用には、法人登記費用、登記住所費用があり、それぞれ数千円から数万円程度です。例えば日本なら、決算や監査があり、またそれに関わる費用が発生し、さらに法人税や所得税などあらゆる税金の支払いがあり、法人として継続するための手続きが非常に複雑で、維持費も多く必要です。これに対し、タックスヘイブンにおけるオフショア法人の維持費を含めた年度更新は、登記した国や地域によってAnnual Return(年次報告書)に署名して提出する必要があるくらいで、非常に簡単です。そもそも、タックスヘイブンにおいては、取締役会、株主総会を開催する必要がなく、法人税が非課税のため、決算や税務申告の必要がない場合が多いのがその理由と考えられます。ただし、維持費に含まれる法人登記費用や登記住所費用を滞納した場合は、滞納期間に応じた利子や罰金が発生しますし、長期的に滞納が続くと、銀行口座の閉鎖や政府からの督促状が届くこともあるので、注意が必要です。

これら法人の設立費用や維持費については、あくまで全て自社でその手続きを実施した場合のものです。これとは別に、自社で実施する場合はその自社コストがかかってきます。そのコストには、費用と時間の両面があります。費用面では、手続きにかかるスタッフのスキルによってそのコストは異なりますが、自社の人件費が考慮されます。一方、時間の面では、プロジェクトの完了までの期間が重要です。タックスヘイブンによって、法人設立に関する法令や制度が異なるため、手続きに要する時間が異なります。例えばセーシェルでは、設立の際必要な作成書類として、法人設立証、定款、株券、株主名簿、役員名簿、役員の任命書、役員の同意書、役員の宣誓書、書類保管場所の通知書、最終受益者の確認書、最終受益者名簿の11種類が必要です。これに対してアンギラでは、法人設立証、会社の条項、定款、株券、株主名簿、役員名簿、名簿、増資の登録、役員の同意書、初回の取締役議事録、宣誓書の11種類となります。これだけ見ても、登記設立しようとするタックスヘイブンで違いがあることが一目瞭然です。タックスヘイブンで法人を設立する際の費用は数万円であることが多いですが、具体的な金額は国や地域、法人の規模や業種、設立手続きの複雑さによって異なります。このように、タックスヘイブンでの法人設立には初期費用が、そして維持費がかかりますが、それに見合う税務上のメリットや法人運営上の柔軟性を考慮することが重要であり、そのため、専門家である管理会社のサービスやアドバイスを利用することが一般的に行われています。

このように、タックスヘイブンでの法人設立や維持は、複雑な法令や制度を理解し、適切な手続きを行うことが求められます。しかし、専門知識がない場合、手続きに時間がかかったり、ミスを犯したりする可能性があります。そこで重要な役割を果たすのが、タックスヘイブンに精通した管理会社です。管理会社は、豊富な経験と専門知識を活かし、法人設立やその維持費に関する様々なサポートを提供します。例えば、顧客のニーズや目的に合った最適なタックスヘイブンを提案します。そして、登記申請、定款作成、公証人認証など、法人設立に必要な手続きを代行し、また、登録住所を取得し、さらには法人名義の銀行口座開設をサポートします。また、維持に関しても、経理処理、財務諸表の作成など、会計業務を行い、様々なアドバイスを提供し、維持費の削減に貢献してくれます。設立費用や維持費が発生するものの、それに見合うだけの専門知識とサービスを提供することで、顧客のビジネスを支援します。