オフショア法人名義に限らず、法人が持つクレジットカードは、ビジネス活動において非常に重要なツールです。クレジットカードは、一時的ではありますがキャッシュフローの改善、さらには法人の信用力向上に大きく貢献するだけでなく、法人名義のクレジットカードは経費管理の効率化に役立ちます。法人の経費を個人のクレジットカードで支払うと、経費の分類や管理が煩雑になりがちですが、法人名義のクレジットカードを使用することで、法人の経費は一元的に管理され、経理処理が簡素化されます。また、クレジットカードの明細には支出の詳細が記載されるため、経費の透明性が高まり、不正な支出を防ぐことができます。これらから、経理担当者の負担が軽減され、経費の管理が効率的になります。ここで言うオフショア法人とは、外国に設立された法人のことを指し、特にセーシェルやケイマン諸島などのタックスヘイブンと呼ばれる国や地域で設立されることが多く、これらの地域では、法人税が低いか、場合によっては全く課税されないため、税務上のメリットが期待できます。また、情報の秘匿性が高く、セキュリティの保護というメリットも持ち合わせています。
しかし、オフショア法人が法人名義のクレジットカードを持てるようになるまでには様々なハードルが存在します。中でも大きな要因として、オフショア法人は、世界中の金融機関で口座を開設することができる可能性を持っているにも関わらず、オフショア法人が法人名義の銀行口座開設が困難になっていることが挙げられます。これは、タックスヘイブンを利用し節税する、またその情報の秘匿性を活用し資産管理をするといった本来の目的から外れ、マネーロンダリングなどの違法行為や、過度な節税による脱税などの歴史から、以前と比べると規制が強化されていることに一因があります。日本でもタックスヘイブン対策税制として制度を整え、強化し、その税制を運用しています。タックスヘイブン特別税制から、簡単に節税を行うことが難しくなりました。また、国際的に見ても、OECD(経済協力開発機構)を中心とし、国境を越えた金融口座情報の自動交換を行う国際的な制度であるCRSという租税条約を多くの国や地域が締結しており、このCRSに加盟する国や地域が増えています。これらが租税回避の早期発見・防止に効果を発揮しています。そのため、銀行が審査を厳格化し、簡単に銀行口座を開設できる状況でなくなっているのが現状です。
このため、設立代行を専門とするサービスプロバイダーや、法律を専門とする弁護士、財務の専門家である税理士などからの協力は欠かせません。特に設立代行を専門とするサービスプロバイダーは、スムーズに設立を手助けしてくれるだけでなく、法人名義の銀行口座の開設や開設した銀行を通じて法人名義のクレジットカードの発行、さらには運営、そして法人継続まで一貫してサポートを供給してくれます。オフショア法人を設立する際に、国や地域の選定に関しても助言をしてもらえますし、準備すべき書類に関しても、国や地域によって違いがあるにも関わらず、的確にサポートしてくれるので、設立までの期間を無駄なく、最短で設立できます。また、開設できる銀行についても情報を持っていますので、その銀行を通じて法人名義のクレジットカードの取得までを無駄なくサポートしてくれます。
海外で仕事をするオフショア法人にとって、オフショア法人名義の口座開設は必須の条件です。そして、経費管理の効率化に役立つだけでなく、キャッシュレスで利用できる法人名義のクレジットカードの取得にあたっては、その銀行口座の開設がなくては実現しません。もちろん日本の銀行口座を利用し、日本で発行されたクレジットカードを利用する方法もありますが、経費や売上など資金の流れについての秘匿性が全くなく、それではせっかくオフショア法人を設立しても意味がなくなります。そのためにも、設立代行を専門とするサービスプロバイダーなどの専門家のサポートを受け、オフショア法人を設立した方が、遥かに効率良く資金を貯める事ができるのではないでしょうか。